負けかたを知らないままで社会に出た人は、負けないことでしか自己を保てない。あらゆる取引が泥試合になりかねないし、負けられない人は学べないから、成長できない。負けない人だって努力するけれど、無目的に積んだ努力は、成熟に結びつかない。
本を読んで、読者が作者に「勝って」しまったならば、その本に投じたお金は無駄になる。負けかたを知らない人は、負けることができないから、翻って学ぶことができなくなってしまう。
実社会で泥試合になると、追い詰められたらあとがない。破綻がいやだから、お互いに落としどころを探すのだけれど、「負けない」人とは議論ができない。学校という場所は、安全に負けを体験できる数少ない機会であって、そういうことを教えてほしいなと思う。
負けを宣言できない人は、結局学ばないまま「勝利」を重ねる。いざ問題と対峙して、状況が破綻するそのときまで、「俺はこんなにがんばっている!」と叫ぶことしかできない。いろんな人にとって、それはとても不幸なことだと思う。
— 負けるのは大事 - レジデント初期研修用資料 (via yellowblog)
